Crépuscule
Crépuscule
Auberge de la Loube (Chez Maurice)
Depuis 15 ans, mon mari et moi, nous visiton ce restaurant au moins une fois par an. D’abord, mon mari a lu le livre de Peter Mayle qui racontait plusieurs restaurants de la Provence.
Mon mari etait très ému de ce pays et ces restaurants.
(peut-être comme les autres.)
Puis, il avait une décision de visiter tous les restaurants que Peter a écrit.
Voilà c’est le restaurant le plus favori.
ほぼ1年に1度、15年ほど通い続けている大好きなレストランがある。プロヴァンスのリュベロン地方、Buoux(ビュー・またはビュークスと発音)という人口100人ほどの村にある、モーリスの店。
そもそものきっかけは、ピーター・メイルの書いた『プロヴァンスの12ヶ月』を読んだツレアイが、「この本に登場する店を全部廻る」と宣言。この本に、みるみる附箋が差し込まれていった。訪ねたいレストランの記述があるページだ。
Buoux村に通うようになった理由はもうひとつ。居心地のよい 宿があるから。(宿のことは、また別の機会に書こうと思っている。)
レストランの名前は Auberge de la Loube(ルーブとは雌狼)。
この店のご自慢『Les Hors-D’œuvres Provencaux de la Loube・16種類のオードヴル・プロヴァンス風』。この時は右上にいちじくがあるから、たぶん9月。
こちらは右下にカヴァイヨンのメロン。だからたぶん6月か7月。
(メロンはすでに、写真を撮る前に食べられてしまった。)
16種類のうち定番は半分くらいで、季節によって皿が変わる。タマネギのコンフィチュール、ラタトゥイユ、タプナードやブランダード、ひよこ豆のマリネなどは、私がいつも楽しみにしている皿。ここにはないが、ズッキーニの花の詰め物、ナスやかぼちゃのティアンなどが並ぶと、嬉しくもあり悩ましくもあり・・・。
おいしいおいしいと、オードヴルを食べ過ぎるとタイヘンだ!
あとにメインの料理、モーリス自慢のデザート、そして彼が選りすぐったフロマージュが待っている。
料理を終えると、客のテーブルへシェフが顔を見せるのは、プロヴァンスのレストランでよくある光景。モーリスも例外ではない。この日は私たちのテーブルでグラスを傾け、自分用にもデザートの皿を運ばせ、ゆっくり話し込んだ。夏至の頃のプロヴァンスは午後10時を過ぎてもこの明るさ。
このレストランに夕食の予約を入れた日は、昼食はごくごく控えめにしなければ・・・と、宿のマダムに話したら「Nous aussi・もちろん私たちもよ。Attention!」「僕は朝食から控えるよ」とムッシュウ・・・。そうか、地元のひとたちも胃袋の大きさは私たちと変わらないんだ。
いつものように、調理が終わってテーブルに顔を見せたモーリスは、私が、すでに満腹でためらっていたフロマージュのひと皿を目ざとくみつけ、「立ってポンポンと跳ねてごらん。隙間ができるよ。こんな風にね」と言いながら、その場でぴょんぴょん跳ねてみせた。お茶目な男である。
これは、オードヴルの晩秋ヴァージョン。レンズ豆の皿もみえる。別皿で登場したのは、自家製テリーヌ・ドゥ・カンパーニュ(田舎風パテ)のコンソメゼリー添え。寒い季節には動物性タンパク質をとらないとね・・とはモーリスの言葉。テラス席はもう昼食でも寒い。大きな暖炉で赤々と燃える薪のいい薫りとはぜる音が、部屋中に広がり、ダイニングのたくさんのテーブルを、ひとつの暖かい雰囲気にまとめる。
スタッフの躾には厳しい面をみせるモーリスだが、お客さまと接する時の彼は本当に嬉しそうだ。この日は11月最後の日曜日。地元のお客さまで昼食のテーブルは満席で、彼は大忙し。
狩り(chasse)の季節にはメニュに書いてなくても、「ジビエは?」と聞いてみる。「あるよ!イノシシを煮込んだんだ。」と、嬉しそうな顔。続いて私に「et toi?・あなたも?」「私には願わくば、このところ食べ損なっているウサギがあったら」「Bon!運が良い。ちょうどlièvre・野ウサギが仕上がったところだ」・・・ということで、写真手前がイノシシ。奥が野ウサギ。ともに野性味たっぷり、根性のあるひと皿。見た目は濃い色だけど、ハーブの香りを効かせた円やかな味だった。肉の上に見えるコロコロしたものはこの秋収穫した栗。口に入れるとホックリした甘さがうれしい。
ぶらぶら歩いて帰り道「夕食はサラダか果物だけね。」と話しながら・・・。
2008/09/09